醒めなければ良かったのに、と思う朝。
リビングに行っても誰もいなくて、
例えいつものことでも、ちょっと寂しい。
やたらと混み合った電車に揺られて、
乗り換えの駅もとても混んでいて、
ああ今日は土曜日だからかな、なんて理由を探した。
電車の乗り換えは携帯電話をいじくっていて、
届いたLINEが面白くてちょっと元気になって、
誰かの鞄に体が当たって、やっぱり、渋谷は嫌いだ。
次の乗換駅も混んでいて、
今度はあからさまにコンサート客っぽいことが分かって、
電車に乗ろうとして、早すぎることに気がついて、
改札を出て、カフェへ寄ってみる。
期間限定の商品がオススメと淡々と言われて、
「じゃあそれで」と目も合わせずに答えて、
そのあとのことは取り留めることもない。
また電車に乗って、いつもの顔ぶれに会って、
佐々木希とお餅を足して割った様な可愛い顔の友人が、
ニコニコとおっとりと話しかけてくれるのを、
ただ聞いて、時々周りの人にふってみる。
これでいて、結構楽しい。
夕暮れの中で聞く「君と暮らせたら」は、
妙に懐かしくて、横断歩道を渡るタイミングが遅れる。
帰りの電車では、往路に増殖していた
某アイドルのコンサート帰りの人が沢山居て、
派手な格好のわりにブスばっかだな、とか思って、
車窓に映った自分と目が合って、
「あ、わたしも結構ブスだな」とか気づく。
乗り換えた電車では、座りたいが為に二本も見送って、
結局「今日の終わり」と「明日の始まり」を電車で過ごす。
発車すれば知らない人に何度も手を当てられて、
「むかつく奴に電気ショック喰らわす方法」なんて、
Google使って検索してみながら、帰る所が近づくのを待つ。
電車通学・通勤を辞められたら、どんなにいいことか。
地元の駅に着けば、中途半端なヤンキーが、
シャッターのしまった和菓子屋の前で、毎日集まっていて、
他人は皆、我関せずと通りつつ、心の中で馬鹿にして、
自分はあれよりはまし、とか下と底比べしてみる。
くだらない。
それを過ぎればキャバクラのキャッチがちらついて、
遠くにはラブホテルの灯りが眩しい。
そんな地元のことを嫌悪してもう20年。
私は自力でここを離れる術を探すことすら諦めている。
帰ってから料理をするのが面倒で、
コンビニに寄って、欲しいものも無くて、
お茶とサンドイッチを買って帰ってみれば、
そういう日に限って母親が料理を作って待ってる。
口をつく「明日食べるから」なんて言葉は、
私も親も多分信用していない。
お風呂にお湯をはって、湯船につかって、
大きく深呼吸のつもりが、誰がどう聞いてもため息。
視線を落とせば脚にぽつぽつ湿疹が出ていて、
その理由の分からなさをくよくよ嘆く。
お風呂を出ると家族は皆寝ていて、
明日も起きたらひとりぼっちかとセンチメンタル気取って、
お茶をぐーっと飲み干して、
携帯をチェックするけど、もう2時の30分前。
返信して起こすのも嫌で、放っておくことにして、
携帯が鳴ったと思えば、どうでも良い人で無視。
もう妻子持ちは遊ぶのもいやだ。パソコンを開いてみて、
全然興味の沸かない人様の日常を垣間見て、
何にも頭に残ってないままここに今日を振り返り始めた。
もう2時を回って少し経つ。
そろそろ寝よう。
今日も、夢で会いたかったから書いただけ。