2013年10月22日火曜日

うたかたの日々

秋が次第に深まるこのごろ。

ムードインディゴ うたかたの日々
を渋谷シネマライズにて観てきました。


予告だと、コランとクロエだけのストーリーに見えますが、
そんなことないです。
もう少し複数の人の人生を描いています。


公開されているのは95分のインターナショナル版。
尺が短く、自ずとテンポも良く、色調が鮮やか。
明暗で表す心境・状況の変化も乙です。
終わり方も、理にかなっていて好きでした。
『エターナル サンシャイン』の監督が撮った作品と言うことで、
ほどよい虚構が折り込まれた世界観も良かった。

朝、起きて、飛び飛びで再生される夢の記憶を追う感覚。
展開や動きが早いので、本当に瞬きが惜しかったです。


「ムード・インディゴ」というのは曲のタイトルだとか。
デューク・エリントンというジャズ作曲家の。
原作者が愛した奏者なのだそうです。
「恋人が居なくなってから、心はいつも藍色に染まっている」
ということを表した楽曲なのだそうです。
むむ。
映画にも通じる所があるかもしれません。


うたかた、は「泡沫」という漢字が充たります。
泡。転じて、はかなく消えやすいものの例えです。

ここからは映画に関係ないですが。

うたかた、は消えてしまうものではなくて、
消えやすいだけなのだと思います。

脆いものなのだから仕方ない、と野放しで傷つけるか、
少しでも長く側に置こうと守るか。
前者なら、うたかたが消えてしまった時、
すぐに記憶からも消えるでしょう。
でも後者なら、大事にした記憶が離れず、
最初は辛いだろうけど、いつかその記憶が自分の支える。

そんな、気がします。
結果なんていつだって他人が決めるんだから、
自分が信じると決めた物事くらい、愚直に信じてみたい。


なにはともあれ、人生は泡のよう。
『ムード・インディゴ うたかたの日々』良かった。