ノルウェイの森で、直子がこんなことを言います。
「人は19歳と18歳を繰り返すべきよ」
私は、どうもこの作品にとけ込めないのですが、
この台詞だけはなんだか共鳴します。
19歳って「何者でもない時間」だと思うんです。
高校も卒業したけど、
大人の権利や義務は生じない。
隙間に佇む気分で過ごせた一年間。
19歳になることは、心の底から楽しみでした。
でも、この歳が終わるのは予想以上に悲しい。
今日観た映画の主人公は、19歳で起業。
私はどうしても19歳のうちに観たかったので、
友人が一緒に行ってくれてよかったです。
主人公だって、「何者でもない」19歳でした。
そんな彼が「何者」かになっていくプロセスを、
「何者でもない」19歳の私が観る。
主人公の周りもほぼ、19歳前後だったと思います。
仲間を信じて、自分を信じて、未来を信じて、
仲間を疑って、自分を疑って、未来を疑う。
決して表立って描かれたことではありませんが、
言葉や仕草や行動から想像しつつ、楽しめました。
私はこれから「何者」になるのでしょう。
とりあえず「大人」になって、その先は、
歩くか、走るか、飛ぶか、泳ぐかも決めてない。
楽しい悩みが増えた。