2011年1月9日日曜日

稲妻

黒い画用紙を手で切ってみる。

切れた紙はもとには戻らないけれど、

もう一度繋げてみたら、ほら。

稲妻が走るよ。




普通だったら、再会は甘美かもしれない。

とろけるくらい優しくて、
簡単に過去に引き戻されるかもしれない。


真っ黒に塗られた一片の画用紙を破く様に、
思い出は、心に稲妻を走らせるかもしれない。


でも、残念でした。

私の心は黒くないから、
破かれても稲妻なんて走らないんだなぁ。


芯が燃え尽きたろうそくにしてみても、
ぐにゃぐにゃになったロウが残るだけで、
どう頑張っても、二度と燃えられない。
ちゃんと燃え尽きるまで燃えたんだもの。


「おわったこと」は、巻き戻せない。





ねぇ、これ誰に言ってるか、分かってる?