地味に努力しながらも、人に迷惑をかけずに、
なんとかこなしてきたつもりだった。
わりと「いい子」扱いされて生きてきた。
浜崎あゆみが歌うように、
「“どうでもいい”子」だったのかもしれないけれど。
生まれて初めて、初対面の人に、
「バカ女」って言われて、びっくりした。
だけど、ずっと怒られてるうちに、
そこに愛情みたいなものがあるんだなあって思ったら、
すっごくあったかい気持ちになって、
気づいたときには、手を叩いて笑っていた。
私の周りには、
夜遅くに自転車でかけつけてくれる格好いい女の子や、
「かけおちしよう!」とか言ってくれるお兄さん的存在や、
目が点になる様な汚い言葉を無遠慮に浴びせて、
思いっきり私の惨めさを笑い飛ばしてくれる人や、
暖房で部屋を暖めて待っててくれるお姉さん的存在や、
行き先に迷った時、親身に色々と教えてくれる友達や、
夜中に電話で「弱音はかなくて偉いね」と言ってくれる後輩や、
路頭に迷ったときに車を出してくれようとする友達や…
自分を、それなりのいい子と信じてきたあまりに、
目をつぶってきた不都合なことに、
ぶつかるしか無くなったとき、ちっちゃい声で、
「どうしたらいいかわかんない」って言っただけで、
駆けつけてくれて、応援してくれて、
笑ってくれて、怒ってくれて、泣いてくれて、
抱きしめてくれて、頬ずりしてくれて、
降り掛かった全ての出来事を、
ねじれてしまった心を、
間違えて進んでしまった分かれ道を、
気づかないフリをした全ての過ちを、
全部、全部、全部、肯定してくれる人たちがいる。
大きなソファにもたれて、
キャラメルミルクと間違えて頼んだホットココアに
温まりながら、するすると糸をほどくようにこぼれた、
「ありがとう、ほんとにありがとう。」という言葉。
あんな風に躊躇い無く、相手の反応を気にせずに、
まっすぐ、ただ想いに音を付けた様な感謝の言葉は、
本当に、冗談抜きで生まれて初めて言えた気がする。
私、自分で自分のこと「いい子」って思ってたくらい、
バカなんだと思います。もう、苦笑いするしかない。
みんな、みんな、みーんな、
いっぱい優しくしてくれてありがとう。
私も、みんなのうちの誰かがピンチの時は、
どこにいてもみんなを助けたいと思います。
そして、別舞台でのここまでの怠惰もいよいよ表沙汰に。
どうしてこうなってしまったのか、
自分でも未だに分からないです。
でも、いつもは穏便な先輩が語気を強めて、
あんなに厳しいことを言ってくれたのは、
相当な覚悟を強いてしまったはずです。
確かに最初の変化は、ちょっとしたキャパオーバーで、
それに気づいてほしくて手を抜いた感は否めません。
だけど、それが間違ってると気づいても、
軌道修正を図ることができませんでした。
認められる側から、認める側に変わるときには、
分厚く高い壁がある、と先輩が言っていました。
多分私はその壁の目の前まで来ていたのに、
それが“越えられるもの”だと知らず、
塀か何か、自分を守る、限界のサインだと誤認して、
目をそらしたんだと思います。
「一番になるって、向いてないな。」
そう言って、チャンスを逃して座りこんだら最後。
もう、今日は先頭を走る立場ではなくなってました。
だけど、もう一番じゃないという事実より、
「ああ、やっぱりこうなったか」なんて呑気に思ってる自分に、
驚きと苛立ちを隠すことができませんでした。
正直、認められたいという気持ちはとても強いと思います。
いつも自分の出せる力を全て出して、
このポジションまで来ることができました。
だけど常に、好意は役割に吸い取られる。
少し前なら、「すごいね」「頑張ってるね」と、
誰かが見ていてくれて、認めてくれた行動も、
時が経てば“できて当たり前”になっていくのが、
頭ではわかっているつもりですが、
まだどうしても受け入れきれていないんだと思います。
周りから見て、どんなにその仕事が、
当人の板についてきたように見えても、
努力は一定に注ぎ続ける必要がある訳で、
当たり前と思われてることを、
思われているままに表現し続けるっていうのは、
「認められたい」という欲求を凌駕しない限り難しい。
少なくとも私はそう思っていて、
変わっていく立場に、
成長しない心がいつまでもくっついている今、困ってます。
本当はこの一年かけて、
認める側に行かなくてはいけなかったのだと思います。
今いることができているのは、
認められたい欲求のある人間がこなそうとしても、
ぬるい結果しか生み出せない仕事環境であり、
私が、憧れてた場所です。
考えすぎだよ、と言われるかもしれませんが、
なんか「誇り」みたいなものを持てる立ち位置を、
もう一度探す必要があるんです。
限界なんてとっくに越えていた。
でも興味本位でつまみ食いみたいに、
やりたいことだけやりにこんな所まで来ていた。
今、完全にマスコット状態。いるだけの能無し。
多分最終的に、壁は、越えたい。
だから、どこまで戻れば越える準備をしなおせるか考えます。
先輩、ごめんなさい。
もう少し、ぐちゃぐちゃしてしまうと思いますが、
私はやっぱり、再来年度を担えるような存在になりたいです。
逃げ続けていた今日までを“泡沫”にはしません。