2011年6月4日土曜日

真っ白な光

さよならの時間はいつも急ぎ足で迫ってくる。


音楽が始まって、みんなと一緒に歌っていたら、
声がどんどん、つまっていくのが分かった。

雨ではなくて、体の中で生まれた温かい水滴が、
目からぼろぼろこぼれていって視界遮った。

ふたつ隣の子の右手が、瞳を拭ったのを横目に感じて、
隣の子の声が聞こえなくなるのが分かった。


全ての歌が終わって、
心臓に打ち付けるような花火の打ち上げ音がした。
水たまりに写るその光をじっと見ていたら、
いつの間にか涙は止まらなくなっていた。

最後の仕事場へ走る途中、目の前に大きく花火が咲いた。
思わず立ち止まって、みんなで声を上げて泣いた。


ふとした瞬間に心の中に広がる風景があるとしたら、
私はきっとこの大きな花火が枝垂れた絵を思い出す。

涙でにじんで、目の前いっぱいに広がった、
真っ白な光を思い出すしかないと思う。



「みんなと一緒に何かを終えられた」
そういう経験を一度失敗してしまったきり、
リベンジできずにしばらく生きてきたので、

誰かと一緒にゴールまで走りきることが、
こーんなに心を締め付けることだと知れたのが、
本当に、嬉しくて、嬉しくって。


「やりきる」っていうことが、
なんとなく分かった気がしました。


この開港祭で関わってくれたみなさんが、
私を成長させてくれました。

自分のやってみたことに達成感を感じて、
泣いたのは生まれて初めてです。

涙が出るほど素晴らしい経験をさせていただいたことを、
心から感謝しています。

本当にありがとうございました。