さよならの時間はいつも急ぎ足で迫ってくる。
音楽が始まって、みんなと一緒に歌っていたら、
声がどんどん、つまっていくのが分かった。
雨ではなくて、体の中で生まれた温かい水滴が、
目からぼろぼろこぼれていって視界遮った。
ふたつ隣の子の右手が、瞳を拭ったのを横目に感じて、
隣の子の声が聞こえなくなるのが分かった。
全ての歌が終わって、
心臓に打ち付けるような花火の打ち上げ音がした。
水たまりに写るその光をじっと見ていたら、
いつの間にか涙は止まらなくなっていた。
最後の仕事場へ走る途中、目の前に大きく花火が咲いた。
思わず立ち止まって、みんなで声を上げて泣いた。
ふとした瞬間に心の中に広がる風景があるとしたら、
私はきっとこの大きな花火が枝垂れた絵を思い出す。
涙でにじんで、目の前いっぱいに広がった、
真っ白な光を思い出すしかないと思う。
「みんなと一緒に何かを終えられた」
そういう経験を一度失敗してしまったきり、
リベンジできずにしばらく生きてきたので、
誰かと一緒にゴールまで走りきることが、
こーんなに心を締め付けることだと知れたのが、
本当に、嬉しくて、嬉しくって。
「やりきる」っていうことが、
なんとなく分かった気がしました。
この開港祭で関わってくれたみなさんが、
私を成長させてくれました。
自分のやってみたことに達成感を感じて、
泣いたのは生まれて初めてです。
涙が出るほど素晴らしい経験をさせていただいたことを、
心から感謝しています。
本当にありがとうございました。