度々「ある一人の男の子」に向けて、
ただひたすらに書いたものがあります。
もちろん見てもいないし、
恐らく一生見ることは無いでしょう。
その子、いいえ、その彼は、私の生徒で、
担当している中で一番年の離れた男の子です。
一瞥するだけでは、ただのやんちゃな子ですし、
声を聞くだけではほぼ騒いで叫んでいるので、
ただの「バカ」と思われるでしょう。
もしくは、その辺にいる「小学生男子」みたいな。
彼が塾に来た時、「小柄でヤバい奴(※)がきた。」
※)うるさくて授業にならないタイプ。
と塾内でもトップニュースを独占でした。
だけど、私は一目見た瞬間から、
「この子の担当になりたい」と思いました。
理由も何も無くて、ただ直感と、直感と、直感。
社員に頼んで、御法度とされる逆指名をし、
晴れて国語の担当になれたということです。
本当に落ち着きが無くて、私はいつも、
「イスっていうのは座るものなんだっつーのっ!」
なんて躾をするみたいなことことばっかり言ってた。
多分、彼からしてもよく怒る先生だった思う。
だけどその分、深い話もしてきた。
普通なら小学生とこんな話しない、と思うことも。
一回も無断欠席とか無断遅刻したことないし、
疲れていても頑張って授業に来てくれていた。
夏は暑さに、冬は寒さに、
頬を林檎色に染めて、走ってきた。
気がつけば2年の時間が経過していて、
慌ただしく迎えた新年のはじめ。
歩き続けてきた軌跡の果てに、出会えたようです。
あの子が合格するなんて、本当に、夢みたい。
この子は、とにかく優しい心を持っていて、
絶対に人のことを本気で傷つけたりできない。
ひどいことをしてしまったなんて時は、
自分の方がその数百倍傷つくことを知っている。
嘘をついた時も、それを見破られると、
ひどく安心したような顔をすることがあって、
私はとっても複雑な気持ちになる。
どうして貴方はそんなに自分を傷つけるのかと。
薄い層が幾度も重ね上げられたような柔らかい心で、
本当に些細なことで刺さった棘をも守ろうとする。
そして、誰かの期待に応えることを、
自分の義務にまで高めて動くことの出来る強さがある。
私は、君に会って初めて、本気で、
「伝えたい、伝わってほしい」と思うようになった。
この言い方がベストでいいのかな、と思う日が増えた。
「頑張った」という記憶を作る手伝いがしたいと思った。
実際は、あの子から教わることの方が何千倍も多くて、
沢山、たっくさん、成長させてもらってきている。
本当に冗談抜きで、
この子に会ってこうやって奇跡を目の当たりにする為に、
私はここまで塾講師をしてきたのかもしれない。
そういう風に、思う。
間違いなく、名前の通り、
あなたは私にとって、眩しい太陽です。
受かったからこういうことを言ってるんじゃなくて、
いつも思ってきたこと。
こういう日が来たら言葉にしようと決めてきた。
だけど思いのほかこぼれる言葉に、驚いている。
とにかく、本当に、ありがとう。
実際は、後少し試験が続くので、
本音をこぼすのはここまでにします。
次の授業は、、、
言われなくてもちゃんと座ってね。
そして言われる前に授業準備しててね!
要らないものはカバンの中にしまうんだよ。
最後まで、頑張ろうね。