“My dear friend, ”
星の見えない、温い空に帰ってきて、
改めて見た「瞬間の風景たち」は、
どこまでも澄んでいて、きれいだった。
“Let's keep on open mind.”
とても、とても、必要な時間だった。
踏まなきゃならない大地の感触だった。
“水飛沫で輝く青さを 僕らは讃えよう”
風と匂いを、忘れたらいけない。
湿度と色を、記憶に留めたい。
“光に満ちたこの場所を 僕らは愛し続けよう”
ポマードの匂い、整った歯並び、
ソールが立てる音、煙草のあとの香り、
お洒落なネクタイ、薄茶色い目、笑い声、
信頼と恋と憧れの、その全部の接点みたいな所に、
片足のつま先で立っていた毎日。
それを私はきっと、ここに置いていくと思う。
そして断片に触れる度、
ここに戻ってきては、感情も感覚も研ぎすませて、
一生懸命もがいて生きようとする。
それでいい。
多分、それでいいんだ。
「光の射す方へ、進まないと。」
そう思っていたけど、ちょっと違ったかも。
今ここにあるものを大事に出来ない言い訳を、
「進む事への意識」でごまかしていたかも。
そしてきっと、今、光の中に居る。
もっともっと、ゆっくりで大丈夫。
この時間を経て、自分を、少しだけ好きになった。