2013 TOKYO EXHIBITIONへ!
陽も暮れてから行われたトークセッションに参加してきました。
一言で言うと、面白かったです。
文系で建築もモダンアートも詳しくない私でも、
そこに宿る、はたまたヴェールみたいになってる、
魂みたいなものや雰囲気を感じられる場でした。
モデレーターには原研哉さん、土屋貞雄さん。
ゲストには、いつもお世話になっている南後由和先生、
明治大学でご活躍の門脇耕三先生(建築学の先生)
Casa BRUTUSの白井良邦副編集長、という面々が。
以降、単純に内容をトレースする記事を書くのは、
普段の記事との温度差がきつくなるので、感想を。
テーマ(タイトル?)としては、
「家を持つことのリアリティ」についてのセッション。
抽象度の高いテーマだなぁと興味津々に聞いていました。
あくまで個人的に、
こういうトークセッションの「面白くなる瞬間」というのは、
モデレーターとゲストの境目が見えなくなるときです。
ゲストの話に極自然に呼応するように、
原さんが、ご自身のお考えを話され始めた時が一番面白かったです。
また、
「大阪万博」という言葉に盛り上がる大人たちを見て、
純粋に面白いなぁと思いました。
ああいう風にどこか共通の希望を響かせる言葉って、
今の私達世代でいうとなんなんだろう。
一昔まえなら「東京タワー」はある種、
そういう「希望の象徴」的な言葉だった気がしますが、
似たものを引っ張って「スカイツリー」を出した所で、
既にさほど熱を帯びていない存在だと思いますし。
大阪万博が凄いというよりは、そこに希望を見いだせた、
当時の日本の社会が、ライフスタイルが、個人の心持ちが、
広義的に今よりも「豊か」だったんじゃないかとか思ったり…。
閑話休題。(ふぅ)
あと印象的だったのは、コラボレーションの話。
ちなみにこれが、冒頭にも少し書いた、
原さんがご自身の自然に呼応するようにされた話しなのですが。
AとBを掛け合わせてみたときに生まれる齟齬が醍醐味、
というようなことを原さんが仰っていました。
私は噛み合ない部分は、見ない・見せないものだと思ってたし、
確実に「齟齬=悪」というイメージがありました。
でもそこに、コラボレーションの意義を見いだす、
というのはとても興味深いと思いました。
一方でその考えが一般化するというか、
多様な考え方の一つとして広く認められるには、
まだ時間がかかるのかなと思ったりも。
セッションが終わったあとにも、お話を伺えて、
原さんが「空間」について教えて下さった。
茶道の先生がいつも教えて下さることとも重なって、
空間に「緊張感をもたらす」というのは美しい考えだなと。
それにしても茶室と住宅の関係とかも凄く気になりました。
畳のへり、とかも空間を生むものの一つと捉えていいのかな。
さて、
このエキシビションは「未来」なのか「希望」なのか。
どうしたら未来の現実になっていくのか、気になります。
以前、和紙造形作家の堀木エリ子さんが、
「歴史上、新しいことを始める人は、いつだって異端者だった」
というよなことをインタビューで仰っていました。
「新しい常識で都市に住もう」
こんな格好よくも恐ろしい言葉が言えるのは、やっぱり格好いい。
南後先生も仰っていましたが、
リテラシー教育が息付いてきたなかで、
批判的に物事を読み解くには身につけやすいですが、
創造的に物事を捉えていく力も養う大切さを感じました。
「それは無理だよ」から、
「どうやったらこの考えを活かせるか?」に、
物事の捉え方をシフトしていくことは、
きっと、文理を問わずにできる、とても大切なんですね。
(末文がすごく陳腐な感想になってしまって辛い。w)
わたしは文系の学生ですが、とても面白かったです。
3月24日まで開催しているそうで、
トークセッションも多様なゲストで毎日開催されています(驚)
かくいう私も全然ゆっくり見れていないので、
もう一度時間をみつけて見に行きたいと思っています。
昨日お世話になった皆様、どうもありがとうございました。