真夜中の池のほとりで、赤い鯉が泳いでいた。
苔の生した地面には、紅葉した葉っぱが沢山散った。
隣に居る人が月を見て、水面を覗いて、
また月を見上げて、水面に視線を落として。
その繰り返し。
そして泣き出した。
子どもみたいに、泣いていた。
励ます言葉が見つからなくて、
でも一人にすることもできなくて、
その人が何か言い終わるまで、黙っていた。
そして、ふと抱きしめたら、
砂になって消えた。
そこで目が覚めて、泣いた。
記憶は無いけど、理由があることはなんとなく分かった。
自分のペースでいいんだよって、
もっといつも、簡単に、誰でも、何処でも、
分かって生きていけたらいいね。