2010年4月4日日曜日

たいせつなこと

今日“も”バイトでせっせと塾講師。
11時から23時まで、働きます、働きますとも。

そんな中で、「大切なことを選ぶ」という場面がありました。
正直、どう考えてあげたら良いかわからなかったので、書きます。

中学受験を控えている、ある生徒が言いました。
 
 『先生、これ言ったら怒るかもしれないけどね…』 
 「なに?」
 
 『…怒るかもしれないけどね、てか絶対怒ると思うけどね、、、』 
 「そうやってグダグダされるほうがむかつくから言え!」 
 『…あのね、模試受けないかも。』

確かにその生徒は今月半ばに模試を控えています。
私は理由を聞きました。
 
 『野球でね、今日の試合勝ったから、模試の日も試合があるんだ。』
 「ほう。」 
 『でね、10人いないと試合ができなくって…。』
その子は今日も野球の試合の後に急いで授業に来てくれて、
勉強もスポーツも頑張っているいい子です。
彼の一言一言を聞いて、私は即座にこう言いました。

 「それは、試合でしょう。」
でも言った後に思いました。
個人としてはそれで良くても、“講師”としてはどうなんだ…?、と。
最終的には親御さんの判断に任せるように言いましたが、
本音を言えば、私は、試合に行って欲しいと思っています。

それは、自分自身のこんな経験も基になっています。

中学二年になる春、私は部活が忙しくなる傍ら、ちょっと芸能活動をしていて、
その時期に大手企業のCMオーディションに合格しました。
CMとDMに出れるということで、結構ステップアップになりそうだったのですが、
撮影の日程が、部活の練習試合と被ってしまったんです。

二年の春なんて、練習試合ですら活躍できなかったレベルなのに、
私はものすごくなやんだ結果、出れるかもわからない練習試合に行きました。

結局試合には出れたかわからないくらい印象が無いんですが、
あのとき私は多分「たいせつなこと」を選べた自身があります。

今となってはそれ原因で、芸能活動からは一切遠のいたし、
ちょっと残念なことをしたかなあ、とは思いますが、
それ以上に楽しくて成長する日々を送ってきたと思います。

正しいか、正しくないかはわからないことが多いけど、
大切か、大切じゃないか。それくらいは自分で判断できる人でありたい。
そしてそれを人にも伝播させるひとでありたい。

結局その生徒が何を選ぶかはわかりません。
でも私は、たいせつなことを選んでくれると信じています。