2011年8月13日土曜日

トラウマの作り方

今、昔治療した歯に、魔物が。

舌でそろりとなぞるってみると、
尖るはず無い部位が、鋭利になっている。
鏡で見ると、窪むはず無い所に、穴がある。

それでも私は、歯科医院に行きたくない、
という一心で痛みに耐えています。(アホ)

しかしそろそろやばそうなので、
無痛治療の医院を検索し、一都六県を探し、
結局、なんと…家から徒歩10分のところで、
無痛治療をやっていることを知り、
行こうと決心しているところです。



歯医者が怖い、というのはここ数年のことで。
しかもよく考えると、
そんなに怖い経験していないんです。

自分に合う先生をいつも指名して、
私のペースを最優先で治療してもらって、
ストレスほぼ無しだった気がします。

ではなぜこれほど歯科医院に行くのが億劫なのか。
私の中でいきついた結果としては、
ある日のある治療の記憶でした。




高校二年のいつだか。

…黒いセーターを着ていて、
歯科医院のあと遅刻していった時には、
浅草の話をした覚えがあるので春の出来事ですね。

そう、遅刻したんです、確か。
眠れないほどの歯痛に襲われたとかで、
朝一で歯科医院へ行って、検診。

結構酷い虫歯ができてて、
(すみません、不衛生な話で。)
すぐ治療が始まったんですけど、
これが、ものすっごく痛かったんです。

そもそも、麻酔というものを使ったのが、
歯に限らずこの時が初めてで、違和感が拭えない。
しかもなぜ麻酔が効かずに、治療開始。

とりあえず、痛い。
冷や汗が出て、若干震えながら耐えてました。
左手上げるとかいうアクションでの意思表示とか、
そういう歯科医院限定ルールみたいのいらないほど。

“えーちょーいてー。くちとじていーかなー
いやでも今きゅいーんってなってるから、
くちとじたら皮膚きゅいーんってなっちゃうか。
あーでも、ちょ、ぬあッ、いたーーーっ”

みたいな感じでした。


で、今でも忘れないんですけど、
あまりに麻酔が効かないで、先生が言ったんです。

「神経に、直接さしますねー。」

え、と思ったときには針が、ずきゃーん!と。
一時的にブラックアウトするほどのショックをくらい、
意識が戻ってきたときには、その日の治療は終了。

気づけば麻酔がまわっていて、
ゆるゆるの口で帰宅したことを忘れはしません。
そして、恐怖に泣いたことを忘れられません。(爆)


その後は、その時の担当医をブロックし、
(あとで知ったがその人は院長でしたよ。)
相性の良い先生に完治してもらったのですが。


治してもらったという、良い記憶を遥かに凌ぐ、
“痛かった恐怖”だけが、今なお鮮明に残っています。

もともと自分が悪いですし、
罰が当たったんだと言われればそうなんですけど、
そんな話は今日は別によくって。


トラウマっていうのは、
本当に些細なことから生まれて、
それと真逆の、良い経験の量がどんなに多くても、
なかなか消えないみたいですね。


一撃一生。
自分のことながら、少し学びました。

でもね、余談なんですけどね。
今回またダメにしちゃった歯、
相性のいい先生に治療してもらった方なんです。
院長の方は、(個人的には超皮肉なことに)大丈夫。


あーいやです、ほんと。
とりあえずトラウマか痛みのどっちか、きえて。