from「ぐるりのこと。」—映画.com
前々からずっと気になっていた作品を鑑賞。
今までも映画を見るのは好きだったのですが、
感想をわざわざ書くのは避けていました。
で、相変わらず誰とも共有したくないのですが、
せっかくなのでこういうことをまとめる練習もしましょう。
…といっても癖にするつもりは毛頭ございません。
なぜずっと気になっていたかと言うと、
命がテーマで、結構踏み込んだ主題だったからです。
(厳密には想像とズレていたのですが、)
中絶とか流産がテーマだと思っていたんです。
これって、とにかく社会的にはタブーと言うか、
そういう経験をした人から話を聞き出したりするのは、
人としてモラルに欠ける行動と取られるものだと思います。
でも、私、凄く気になるんです。
好奇心と言う乱暴な言い方はしたくないのですが。
先述の通り、映画では中絶は取り上げられませんが、
「命」とのかかわりを色んな視点で描いていて、
それが生死だけではなくて、繋がり方だとか、
そういう言われなくちゃ忘れてしまっていること、
そんなことにまで及んで描かれていていました。
肝心な出来事自体は、かなり抽象化されていて、
それが邦画っぽさを強めているというか。
私は曖昧な感じの作風が好きなので、気に入りました。
曖昧なのは分かりにくいとかって言うのとは全然違って、
なんというか…「自然」な感じがするんです。
話し逸れますけれども、
私、印象派の絵が好きでして。
それも、言葉が雑ですが、曖昧だから好きなんです。
例えば、最近見た中で一番印象的な空と言われら、
ざっくりした色(むしろ明彩度レベル)は分かれど、
雲の形、星の数と配置までは、
ほとんどの人が覚えてないと思います。
印象派の絵は、「記憶」をそのまま描いている気がして。
記憶というのは、人の限界の象徴だと思っていて、
私はその限界すれすれの表現こそが一番美しいと思っています。
そして、そうすることで「現実」に対しては、
「曖昧」という言葉に近い表現になると思っています。
…ということで、曖昧っていうのは落ち着くんです。
分かりにくい上に、
美術も映画も勉強した事の無い人間の言う事ですから、
あまりまともに受けてほしくないのですが…。
(本当にあくまで個人的な感想でしかないので。)
邦画っぽいという点では、
役者さんも難度が上がると思うのですが、
主演のおふたり、寺田さんや柄本さん、凄い。
とにかく、リリーさんは最高でしたけど。
あと、全般にわたって、
「泣き」のシーンは幅があって面白かったです。
もうあと5年くらいしたら、
落ち着いてもう一度見たいです。