一瞬しかないから価値のあるもの、
そういうものを見聞きできる様になった日は、
今日が初めてなのかもしれません。
仮に久々のことだったにしても、
あれだけ斬新な感覚に陥ったと言う事は、
類稀な経験だったのだと思います。
日常に潜んでいる、やさしい瞬間。
くだけるような、かくれんぼの狭間のような、
異次元に飛ぶような、風の吹き始めのような、
何を言われたかなんて、忘れた。
細かい台詞も言い回しも、全部飛んでいった。
その瞬間、光って、音が全部消えた。
そしてただ、その表情に見入ってしまった。
それだけを今もはっきりと焼き付けてある。
欲深くも、写真に収めたいと思った。
だけど、そうじゃなくて、
この目でしか見えないからいいような気もした。
確かに一瞬の衝撃であって感動だったけど、
一瞬を切り取るんではなくて、
「一瞬が連なった中に生じた一瞬」だったから、
そうだからあんなに感激したんだと思った。
これだ、と思った。
何もかも完璧だった。
ありがとう、ほんとに。