引き出しの奥、永遠の青春をその人に見せると、
これ、面白いね。と言って、読んでいた。
高校生のころ、少ないお小遣いから捻出して
買い集めたある本は、今もずっと
普段は開けない引き出しに入っている。
見るのはいつかと言えば、
片付けをする時くらいのものになってしまった。
それでも、なお、
私の記憶の中で最も麗しく、瑞々しいもののひとつ。
普段なら、人に見せることなんて絶対にしない。
そんなにおかしな本ではないけど、
こういうの難しい、とか言われるのが厭だから。
期待を遥かに裏切った彼は、
最後は本の上で考え事をとるポーズで寝ていた。
高校生の頃の私が、今日の私を見たら、
どれほど喜ぶかな。
あの頃の私が宝物にしていた考え方を、
一緒になって志してくれる人が、いるよ。
そういう風に伝えたら、どれほど嬉しいかな。
ひとりじゃないよ。
時と場所が変わっても、待っていれば現れるよ。