2015年5月17日日曜日

風が、吹かない

不思議なことに。

高校で所属していた部活の子達と、
大学でやった親善大使の今年の子達が地元の駅に居た。

同時に、いた。

幸か不幸か、部活のコーチや大使のスタッフさんはいなくて。
私だけが、
そこにいたことを津々と思い起こしていた。

面影、というものは、人に宿るだけではないと思う。
字引をした訳ではないので、
国語的なツッコミやご容赦頂きたいけれども、
音とか匂いとか、風や天気の感じとか。
そういうものひとつひとつ、一瞬ごとにあるもののような気がする。

確かに何かの面影は感じたのだけど、
誰かといたことではなくて、
そこに自分がいたことしか思い出せなかった。

多分いつも、独りが好きだったから。

社会に出ると、
年齢を重ねると、
ひとりいる時間が著しく減る。

それは本当に苦痛で、
残念ながら慣れるほか無い。


おい、あの頃の風よ。
もう私には吹いてくれないのか。

足首をなぞる様なあの静かな風は、
校舎にしか吹かないのかな。


ひとりになれば、分かるのかな。