不思議なことに。
高校で所属していた部活の子達と、
大学でやった親善大使の今年の子達が地元の駅に居た。
同時に、いた。
幸か不幸か、部活のコーチや大使のスタッフさんはいなくて。
私だけが、
そこにいたことを津々と思い起こしていた。
面影、というものは、人に宿るだけではないと思う。
字引をした訳ではないので、
国語的なツッコミやご容赦頂きたいけれども、
音とか匂いとか、風や天気の感じとか。
そういうものひとつひとつ、一瞬ごとにあるもののような気がする。
確かに何かの面影は感じたのだけど、
誰かといたことではなくて、
そこに自分がいたことしか思い出せなかった。
多分いつも、独りが好きだったから。
社会に出ると、
年齢を重ねると、
ひとりいる時間が著しく減る。
それは本当に苦痛で、
残念ながら慣れるほか無い。
おい、あの頃の風よ。
もう私には吹いてくれないのか。
足首をなぞる様なあの静かな風は、
校舎にしか吹かないのかな。
ひとりになれば、分かるのかな。